余所者-よそもの-【 3 】


――――……
――……


シトウ町。

Z地区との境界。


――物陰に、ユキと千景。

二人は静かに潜んでいた。


ユキの手の中には、二本の鍵が握り締められている。


「………」


ユキのマンションのポストに、この鍵と手紙が入っていたのは数日前。

手紙に書かれていた内容は極めて簡素で、無駄がなかった。


日時と、当日のシトウの人員配置。

それだけ。


――『シトウはいずれ、盲目になります』

――『その隙に、カナコさんを取りに来てください』


ユキは深く考えずとも、その手紙の意味も、鍵がどこの鍵なのかも理解した。


「本当に野間を信用して大丈夫なんだろうな」


千景は今日この土壇場になっても、とても信用できなかった。

もしかしたら、罠かもしれない。


「そう思うなら、お前は来なくていい」


ユキはあの日の野間の背中を見ている。

言葉にはできない。


ただ、なんとなく。

ユキは野間を信じられると思った。


「……チッ」


千景は舌打ちをする。