余所者-よそもの-【 3 】



――あれ?

シドが、いない。


前に来てから、どれくらい時間が経ったっけ。


「野間くん」


扉の外に、話しかける。

声は、返ってこない。


何度か呼んだけれど、返ってこない。


「………」


そうだ。

野間くん、言ってた。


――『今から言うことを覚えておけますか?』


うん。

ちゃんと、覚えてる。



――『薬を飲んでください』


薬は、ベッドの下に隠してくれた。

茶色い紙袋を開けた。


薬がたくさんあった。


いつも野間くんが飲ませてくれてた薬。

口の中に入れて、水で流し込んだ。


「野間くん」


――『薬を飲んでください』


水はもう空っぽ。

手に取るのが面倒で。

もういいやって、薬をぼりぼりと歯で噛み砕いた。