「…………コ」 誰かが、私を呼んでる。 「カナコ」 だれ? でも、瞼が重い。 起きたく、ない。 「カナコ。起きろ」 ぐん、と腕を引かれ、上半身を起こされる。 「………」 薄目を開ける。 また、閉じる。 酷く、眠い。 ふいに、プン、と何かの香りが鼻の奥を突いた。 なんだろう。 瞬きの瞬間に、鮮やかな赤が見えた。 もう一度瞬きをして、次はもう少し長く視界を保つ。 「……血?」 目の前のシドのシャツに、点々と血のようなものが飛んでいた。