余所者-よそもの-【 3 】



でも。

カナコさんの彼が死んで。

カナコさんが罪悪感の中で、必死にもがき苦しむ姿は。


カエデさんというよりも――…


「あなたがカナコさんに重ねているのは、自分自身」

「………」

「壊したい、傷つけたい」

「………」

「それでも」

「………」

「癒したい。愛したい」

「………」


「全部、紫藤さん。あなた自身なんじゃないですか」



紫藤さんが吸い込んだ煙草の先が、赤く光り、灰が伸びる。



「カナコさんを傷つけて、自分を罰して」

「………」

「カナコさんを愛して、自分を癒そうとしてる」



どんどん、どんどん、煙草はフィルターに向かって、燃え進んでいく。



「もう。カナコさんを傷つけるのを、やめてください」


「………」


「いい加減、テメェのこと許してやってくださいよ」



言い終えた瞬間、煙草は静かに燃え尽き、赤い光が消えた。



「最後の言葉はソレでいいか?」

「はい。もう思い残すことはありません」


「ああ」




「どうも、お世話になりました」