余所者-よそもの-【 3 】




「覚悟の上だな?」

「はい。――衝動は己に返りますからね」



僕自身の行いは、僕が引き受ける。


ガタ、と音を立てて席を立とうとした紫藤さんに、僕は身構えることはしない。

静かに、口を開いた。


「……ただ」

「あ?」

「長い付き合いだったと、少しでも温情をかけてもらえるのなら。少しだけ戯言(ザレゴト)に付き合ってもらえませんか?」


そう言った僕に、紫藤さんは再びソファへ座り直し、――キン、と煙草に火を点けた。



「お前にかけられる温情は……この煙草一本分だ」



よかった。

僕には十分すぎる温情だ。



「紫藤さんは、カナコさんにカエデさんを重ねて見ていると思いますか?」

「………」


紫藤さんが吸い込む煙草が、じりじりと燃える。



「僕は最近、違うと思うんです」



紫藤さんは、確かにはじめの方こそ、カナコさんにカエデさんを重ねて見ていたのだと思う。

だから街で守ったし、手を差し伸べた。