余所者-よそもの-【 3 】



そこは、シトウ内の廃墟ビル。

元はゲームBARだったここ。


割れた酒瓶やグラスを何度も踏み、至るところに落ちた廃材を跨ぎながら、歩みを進めていけば。


闇の中。

ぽつりと浮かぶ、大きな人影。



「時間キッカリだな。お前らしい」



僕の前には――紫藤さん。

くたびれたソファに深く沈み込み、足を広げて座っていた。



「もう一度聞く。リビドーの棚。カナコの水。差し替えたのはお前か?」


「はい。僕で間違いありません」



このBarは、半年程前に紫藤さんや多夜さんと一緒に潰した箱だった。

今度はここで、僕が潰される。



「理由は?」

「理由は……言ってもあまり意味がない気がするので控えます」



僕が紫藤さんに報告をするのは、事実まで。

余計な憶測や感情は、報告しない。