余所者-よそもの-【 3 】




「シトウはいずれ、盲目になります」

「………」

「しばらくは、何も見えない」

「………」

「その隙に、カナコさんを取りに来てください」



紫藤さんからもらった、この眼は。

紫藤さんのために、使う。


「待て、」


瑞生さんは、僕を呼び止めた。

僕はもうカウンターの席を立ち、出口に向かって歩いている。



僕の眼から零れ落ちる一筋の涙を隠すように、背中越しに言葉を紡いだ。



「救出にさほど戦力は要らない。救い出したあとの為に温存してください」

「……お前、裏切るのか?」


「いいえ。僕はあなた方の肩なんて持ちません。最後まで……紫藤さんの味方だ」

「………」


「あなた方と抗争することがあれば、その時は迷わずシトウ側に立って闘います。……では」



僕はそれだけを言い残して、店を出た。