余所者-よそもの-【 3 】



「………」


この人は。

覚悟がないんじゃない。


この人の覚悟は、――死なない覚悟。



それは、突拍子もなく現れた、第三の答えだった。


紫藤さんを救うなら。

紫藤さん自身を、どうにかするしかないと思っていた。


――シトウを潰す。


誰も死なせず。

誰も殺さず。



紫藤さんを……

『シトウの紫藤』という役割の檻から、逃がす。



――そこに、一筋の希望が見えた気がした。



出来るか。

そんな大それたことを。


この男に。


「………」

いや、無理だ。


地下の売人がいても。

露天街を巻き込んだとしても。


……足りない。

僕は視線を落とし、右手中指の目玉と見つめ合う。



――なら。



「僕は……シトウの眼だ」


「……何の話だ」


「シトウの全ての情報は、僕を介す」



賭けよう。

目の前のこの、――生きる覚悟に。