余所者-よそもの-【 3 】



「………」


僕は頭の熱を冷ますように、深く息を吐いた。

それでも拳に入った力はなかなか解けない。


イライラする。

どいつもこいつも。


「なんか言ったらどうなんです」


隣を見る。

瑞生さんの表情は、話しだしたときと何一つ変わりがない。


その落ち着き払った顔に、僕の眉間が勝手に強張った。



「お前の話はそれで終わりか?」



何かをこらえている仕草もない。

余裕、とも違う。


苛立った僕をあざ笑うでもない。


ただ、何か退屈な講義を聞いていたかのような、その顔つき。

……気に食わない。



「『勝てない』。そう結論付けてくれて構わない」

「……カナコさんを助けたいんじゃないんですか?」



「何を勘違いしてるのか知らないけど」



そう言った瑞生さんの瞳が、静かに細まる。

まるで……僕の浅はかさを、見透かしているみたいだ。



「俺が知りたいのは、アイツのことだけ」



おかしいだろ。

カナコさんを知りたい理由の先に、取り返すって目的があるはずだ。

なぜ、食いつかない。


これじゃまるで、僕が空回りをしたみたいじゃないか。