余所者-よそもの-【 3 】



「………」


沈黙を、肯定と捉える。

そうなると、Z地区と露天街……いや。

地下の売人と瑞生さんが手を組んだと考えるのが自然だ。



「シトウとやり合う気ですか?」

「想像に任せるよ」


この回答は。

ハッタリを狙っているのか、それとも手の内を見せないためか。


僕はカウンターの下で拳を固めた。



「Z地区と露天街が手を組めば、シトウに勝てると思ってます?」

「………」

「カナコさんを助け出して、その後もシトウから守り切れると」



所詮、露天街の外れでのうのうと商売をしてきただけの男。

何もわかっていない。



「紫藤さんは馬鹿じゃない。シトウ以外の足に、シトウ以上の戦力は持たせない」

「そうか」


軽すぎる返事。

間も置かず、口がひとりでに動いていた。


「そもそも」

「………」

「シトウとやり合う前提で、露天街が組織としてあなた方に付くでしょうか」

「………」


「八賀のジジイは老害だ。勝率の低いギャンブルに乗っかるほど、シトウに不満もない」



馬鹿にするな。

紫藤さんを。


シトウの眼は節穴じゃない。


露天街はZ地区に付かない。

Z地区とこの人の連携は、不完全と見て妥当だ。



「あなた方では、シトウには勝てない」



紫藤さんに、遠く及ばない。

シトウを、ナメるな。