「………」
沈黙を、肯定と捉える。
そうなると、Z地区と露天街……いや。
地下の売人と瑞生さんが手を組んだと考えるのが自然だ。
「シトウとやり合う気ですか?」
「想像に任せるよ」
この回答は。
ハッタリを狙っているのか、それとも手の内を見せないためか。
僕はカウンターの下で拳を固めた。
「Z地区と露天街が手を組めば、シトウに勝てると思ってます?」
「………」
「カナコさんを助け出して、その後もシトウから守り切れると」
所詮、露天街の外れでのうのうと商売をしてきただけの男。
何もわかっていない。
「紫藤さんは馬鹿じゃない。シトウ以外の足に、シトウ以上の戦力は持たせない」
「そうか」
軽すぎる返事。
間も置かず、口がひとりでに動いていた。
「そもそも」
「………」
「シトウとやり合う前提で、露天街が組織としてあなた方に付くでしょうか」
「………」
「八賀のジジイは老害だ。勝率の低いギャンブルに乗っかるほど、シトウに不満もない」
馬鹿にするな。
紫藤さんを。
シトウの眼は節穴じゃない。
露天街はZ地区に付かない。
Z地区とこの人の連携は、不完全と見て妥当だ。
「あなた方では、シトウには勝てない」
紫藤さんに、遠く及ばない。
シトウを、ナメるな。


