余所者-よそもの-【 3 】



「どれくらい、猶予がある」

「なにを……」


「お前がアイツを生かしてると、聞いた」


「………」


『聞いた』。

この三文字に、ざわざわ、ざわざわと。

僕の脳内が騒ぎ出した。


カナコさんを生かす。

僕がカナコさんに薬を渡していることを知っている人間なんて――。



「……地下の売人と繋がっているんですか?」

「………」

「あなたが?」



瑞生さんは、それ以上は言葉にしない。


考えられる接点だってカナコさん、それしかない。


だけど、地下の売人は聡(サト)い。

何の得もなく情報を渡すとは思えない。


得……。

地下の売人はカナコさんを助けたい。

欲しいのは、戦力。


でも、瑞生さんには戦力なんてないに等しい。

だってこの人は、たかが露天街の外れの……


――露天街?



「そうか」


欠けていたピースが、一気に繋がる。



「……この間のZ地区と露天街の抗争。首謀者はあなただったんですね?」



Z地区の中には見張りは置けない。

故に、いくらシトウ内で情報をかき集めても。


あの日の騒動は謎めいたままだった。