やがて、後ろでドアが開いて、閉じる。 入れ替わった空気。 二人きりの空間。 そこで、やっと僕は口を開いた。 「お久しぶりっす」 黒い空間の奥。 真っ赤なチェアの連なりが、まるで血の道のように奥へと続く。 その先に座るのは、妖しく、どこか艶やかな男。 軽薄に声をかければ、ゆっくりとこちらを振り向いた。 「待ってたよ」 ――瑞生さんだった。