余所者-よそもの-【 3 】




その言葉は、なかなか僕の中で溶けない。

溶けきれない。


喉につっかえたような何かを抱えていた。


――そんなある日だった。


僕は自分の保有する店の集金へ向かった。

リビドーから歩いて十分。


集合アパートのような見た目の雑居ビルに入る、寂れた小さなBAR。

重い扉を押し開け、店の中に入る。


「お疲れ様です」


仲間の挨拶に返事もせず、視線を走らせた。


ここは、仲間内で使うことを目的とした場所。

客が来ることは滅多にない。


それが、七つ並んだカウンターチェアの最奥。

静かに腰掛けた……一人の、客人。


「………」


一番目立たない場所に座っているくせに。

その男の放つ存在感から、目が離せない。


僕は視線を固定したまま、カウンターの中にいた仲間に短く指示をした。


「BGM切れ」

「おっす」

「そんで、ここを出ろ」


僕は突っ立ったまま。

仲間がこの空間を出ていくまで、待った。