余所者-よそもの-【 3 】



自分が紫藤さんにどんな仕打ちを受けているか、わかってないのか。

わかってないから、紫藤さんのことを心配することができるのか。


どうして、自分のことより他人に目がいく。


「………」

「………」


思わず張り上げた僕の声に、カナコさんは小さく肩を竦めた。

細い指先でギュッと布団を握りしめ、こらえていた感情の欠片を吐き出すように、ぽつりと零した。



「AnBarが、大事だから」


その声には『ここから出たい』の感情を感じる。


「………」


カナコさん。

あなたもですか。


紫藤さんも。

地下の売人も。


みんな自分の命を平気で投げる。


そして、目の前のこの人まで。



「大事なものを守るためなら」

「………」

「死んだって構わないって言うんですか」



そう言った僕に、カナコさんは目を丸める。


「……野間くん?」


そして、やっぱり心配そうな顔で、僕の顔を覗き込む。