余所者-よそもの-【 3 】



――コンコン。

カナコさんの意識が起きている時間が増えたので、部屋に入る前にノックをするようになった。


「カナコさん、入ります」


部屋に入っても、余計なことはしない。


「カナコさん、薬を」

「……ん」


カナコさんは薬を自分で飲むようになった。


「……野間くん」

「なんすか?」

「きのう……ごめん」


昨日、カナコさんはひどく取り乱した。

慌てて慌てて部屋に入った僕を、カナコさんは叩いた。


叩いたと言っても、振り払おうとした手が当たっただけだ。


「なんともないっすよ、あんなの」


とても申し訳なさそうな顔をするカナコさん。

こうやって、少しずつ彼女は表情を取り戻していった。