余所者-よそもの-【 3 】



合鍵の完成を待つ間。


僕は一番最初に、カウンターの棚に置かれていたドラッグを差し替えた。

地下の売人の用意した、精巧な偽物に。


地下の売人が残した紙には、これからカナコさんの身体に起こり得ることまで、細かく書かれていた。

驚くほど几帳面に書かれたそれは、メモというよりも、まるで指示書。


僕は少し呆れた。

……どこまで彼女のことを考えてるんだ。



その日は、薬を与えてすぐに部屋を出た。



――次の日。


「……のま……くん?」


カナコさんは、どうしてここに居るんだ、と不思議そうな顔で僕の名前を呼んだ。


その次の日も、次の日も……


僕は隙があれば部屋に入った。

紫藤さんが違和感を抱かない程度に。


少しずつ、少しずつ。

カナコさんの意識は、こちら側に戻ってきた。