余所者-よそもの-【 3 】




カナコさんはベッドで眠っていた。


僕は、茶色い紙袋を握りしめ。

紫藤さんの定めた不可侵領域を、一歩、また一歩と足を踏み入れた。


ベッドに横たわる彼女に近づき、目を落とせば。


「………」


以前。

地下の売人がここに侵入し、顔を見たときよりも弱っていることがよくわかる。


不健康に痩せたし、顔色だって悪い。


何より。

眠っていると思っていた彼女の目は、開いていた。


僕とも目が合っている。

それでも、反応を示さない。


地下の売人の言っていた通りだ。


――『まともに眠れてないはずなんだ』


声のしないときは、眠っているものだと思っていた。


僕の目の前に横たわる現実。

この目に映る、事実。


僕の身体は驚くほど自然に動いた。


地下の売人から受け取った、茶色い紙袋の中身を開ける。