余所者-よそもの-【 3 】



――何度、深呼吸しただろう。


扉の前。

僕は一本の鍵を、右手に握りしめていた。


意気地なしめ。

胸の中で毒づいてから、震える手で鍵を差し込む。


「………」


ダメだ、回らない。

手汗で滑りそうになる鍵を掴み、一度抜いた。


もう一度、奥までグッと差し込む。


すると――カチ、と。

小さな音がした。


「……開いた」


紫藤さんしか持っていないはずの、最奥の扉。



――僕はその合鍵を、勝手につくった。



最後にもう一度、深く息を吐く。

今にも飛び出そうな心臓。


ノブを握れば……扉が、開く。