余所者-よそもの-【 3 】



――『……あんた、ここでZ地区ごと死ぬ気ですか』

――『命なんか要らないっ!!』


地下の売人。

あの男は……命を賭けてでも、カナコさんを助ける気だ。


その覚悟は本物だろう。


だけど。

だからこそ、救いようがないように思ってしまう。


命を賭ける。

それは、強烈な衝動。


死を覚悟した人間は、死を引き寄せる。


――『衝動は己に返る』


つまり地下の売人は、死ぬ。


あの男は、カナコさんをここから” 救出 ”するだけならできるだろう。

でも、絶対に紫藤さんは逃がさない。


死んでも、逃がさない。


……『救出』できたところで。

それは何の『救済』にもならない。



じゃあ。


一体、どうすればいい。

誰が、紫藤さんを止められるんだ?