ここは、ユキの自宅マンション。
鉛のように重い身体を、柔らかいベッドに預けている。
ふと右手に伝わる温もりに、視線を落とした。
私の指に、ユキの細い指が静かに絡んでいる。
「………」
ベッド脇の椅子に腰かけるユキ。
息を呑むほど儚く美しい横顔を、じっと見上げた。
――あの日から、もう、三日が経っていた。
目覚めたのは、昨日。
ユキから聞いた話では、私は丸二日間、ほとんど眠り続けたらしい。
今日になって、ようやく頭の芯がはっきりしてきて。
だんだんと、いろいろなことをゆっくり理解できるようになってきた。
ドラッグに蝕まれた自分の身体。
脳との接続を切られたような、おかしなこの身体。
話せるようになってから、私は何度か『もう大丈夫』だってユキに伝えた。
けれど、ユキは頑なに私を一人にはせず、『なにかあればすぐにわかるから』と、私の手だって離さない。


