余所者-よそもの-【 3 】



――…
――――……


――今。

僕の目の前にある、リビドーの看板。


酒瓶に支えられながらカウンターの上に掲げられているそれは、色褪せないまま残っている。


Re:bidoは、紫藤さんの覚悟そのものだった。

それが今や、洒落になってない。


紫藤さんの強烈な衝動。

それは皮肉なほど、そのまま本人へ返ってしまった。


愛も、憎しみも。

『救いたい』も、『壊したい』も。


その全てが、紫藤さんに牙を向いている。



紫藤さんはずっとギリギリだった。

いつ、壊れてしまってもおかしくない状態が続いていた。


そんな中。

カエデさんはまるで、紫藤さんへ永遠の呪いをかけるように死んでいった。


愛しかったのか。

憎かったのか。


何も残さず、紫藤さんに深い傷だけを残して。



紫藤さんは壊れたんじゃない。


壊れることを、

自分に、許してしまった。