――…
――――……
――今。
僕の目の前にある、リビドーの看板。
酒瓶に支えられながらカウンターの上に掲げられているそれは、色褪せないまま残っている。
Re:bidoは、紫藤さんの覚悟そのものだった。
それが今や、洒落になってない。
紫藤さんの強烈な衝動。
それは皮肉なほど、そのまま本人へ返ってしまった。
愛も、憎しみも。
『救いたい』も、『壊したい』も。
その全てが、紫藤さんに牙を向いている。
紫藤さんはずっとギリギリだった。
いつ、壊れてしまってもおかしくない状態が続いていた。
そんな中。
カエデさんはまるで、紫藤さんへ永遠の呪いをかけるように死んでいった。
愛しかったのか。
憎かったのか。
何も残さず、紫藤さんに深い傷だけを残して。
紫藤さんは壊れたんじゃない。
壊れることを、
自分に、許してしまった。


