「生き方のわからねぇお前に、役割をくれてやる」
「生き方……役割……?」
どうして、この男は。
出会ったばかりの僕に。
「なんで……」
そんな大層なものを与えることができるんだ?
「………」
刺激的だと感じていた先輩よりも、はるかに濃く……危険な匂いのする、この男。
心臓が、うるさい。
こんな感覚、初めてだ。
「あの、ぼく……」
――知りたい。
普通の僕じゃとても歩めない、この人の生き方。
平凡だと諦めていた、僕の、普通じゃない……生き方。
「僕……野間健太郎っていいます」
名乗った僕を、男がゆっくりと振り返る。
「紫藤、怜」
これが、僕と紫藤さんとの出会いだった。


