余所者-よそもの-【 3 】




「この土地は今日から俺のもの。犬も居ねぇし、お前が寝泊りすることも許さねぇ」

「………」


「ただ」


僕は男を見る。

大きな、大きな男の背中に、なぜだか釘付けになった。



「来るか?ついてくるなら、寝床くらいはやる」

「………」

「ついでに仕事もやる」

「……いや、でも」


「お前、ヒマなんだろ」

「別にヒマじゃないっすよ」


僕は少しムっとした。

仕事もあるし、ヒマじゃない。



ヒマだから、ここに来てたわけじゃない。


そうじゃなくて。

僕は……




「――ああ。ヒマじゃなくて、退屈なんだろ?」




……退屈?

そう……。


「………」


ずっと、そうだ。


僕は、退屈だった。



だって僕は平凡。

凡人。

普通の人間。



刺激に憧れながら。

選べたことなんて、一度もない。

いつも自分は無難な道を選ぶ。


きっとこの先も。



もし、目の前にどんなチャンスが訪れたって。


迷わず駆けたブウのようには、走れない。