余所者-よそもの-【 3 】



「………」

「ここの仲間か」

「……仲間ってほどでは。ただ高校の先輩で」

「何しにきた」

「特に、用事は……」


曖昧になって答えると、男は足をどんどん中へと進めていく。


「あ、あの!」


僕はその背中に声をかけると、振り返りもせずに返事が返ってきた。


「なんだ」

「先輩、どこ行ったか知ってます?」

「………」


男はしばらく沈黙した後、ぼそりと零した。


「いねぇよ」

「居ない?」

「ここに居たヤツは、二度とここに帰ってくることはねぇ」


先輩は、もう帰らない。

どうして。

犬を置いてどこに行ったんだ。


――『近いうちによぉ。そいつ、ブチかましてやるんだ』



もしかして、先輩……



「そっすか……じゃあ、いいっすかね?」

「何がだ」

「ホント言うと僕、寝るとこなくて。犬の世話もあるし、ここ使わせてもらうかなって」

「………」