余所者-よそもの-【 3 】



――その数日後。

店を訪れると、そこに先輩の姿がなかった。


「センパーイ?」


どこにも、見当たらない。

呼んでも探しても居ない先輩に、今日は出かけてるのかな、と帰ろうとすると――ワン!と、犬が足元で吠えた。


「どうした、ブウ」


どこか物欲しげに舌を垂らすブウ。

見れば、リードを繋いだ水道の下にある水入れが、空っぽだった。


僕が蛇口を捻って水を出してやれば、ブウは慌てて器に舌を突っ込む。


その光景を不思議に思ってみていると。



「おい、誰だ」



後ろからかかった声に振り向く。


そこには威圧の眼差しを向ける一人の男が、煙草を口に咥えて立っていた。


誰だろう。

先輩の知り合いか?


それにしても、怖い人だ。

何も言われていないのに、視線を合わせているだけで身が竦む。