――…八年前。
僕が紫藤さんに出会った、あの日。
――――……
――……
「おーい!ケンタロウ!」
「うっす。おつかれっす」
子供のような無邪気な顔をして手を振る男。
同じ高校、一つ上の先輩。
「お前、暇?」
「まぁ、ヒマっすよ」
「ちょっと遊ぼうぜ」
先輩とは特別仲がいいわけじゃなかった。
ただ鉢合わせすれば、気まぐれに遊びに誘ってくる。
遊びの内容は……まぁ、様々。
半グレって呼ばれるチームに所属する先輩は、素行が悪い。
一方で僕は比較的真面目な方。
ハタから見れば、輩に絡まれてる可哀そうなヤツって見え方をするんだと思う。
先輩は、僕をよく遊び相手にした。
「あそこ。な?絶対ぇバレねぇから」
「えー……」
「さっさと酒スってこい!」
電柱に影を潜める僕のケツを蹴った先輩。
酒を万引きして来いとのこと。
しかも、僕は制服を着たままだ。


