余所者-よそもの-【 3 】



地下の売人は車に近づくリンコを押し返すように、拳を振るった。


額が裂け、頬が腫れ上がる。

それでもリンコは怯まず、地下の売人の攻撃をあえて受け続けながら、相手の軽い身体を捕まえようとしているようだった。


地下の売人が高く跳ぶ。

空中からリンコの頭を狙って踵を振り下ろす。


――パシ。

リンコの手が素早く動くと同時、乾いた音が響いた。


「やっと、捕まえた」


地下の売人の細い足首を、片手でキリキリと掴んでいる。

ぶらん、ぶらん、と、逆さ釣りになった地下の売人の身体。


「やべ」


言葉とは裏腹に、彼は顔色ひとつ変えない。

もう一方の足で相手の顔面を蹴りつけると、その反動をつかって身体をひねり、地面に手をついた。

ぐれん、と一回転。

掴んだ足首が、リンコの掌の中で激しく捻じれる。


「……熱ッ!」


リンコの手が離れ、拘束が解けた。

その場に低く構えた地下の売人が、再びリンコに襲い掛かろうとしたときだった。



「……チカ様!!」



マンションから、片目の潰れたボロボロのデックが出てきた。