余所者-よそもの-【 3 】



地下の売人の接触から、数日が経った。


あの日の言葉が、棘のようにずっと僕の頭に刺さったままだった。

――『やるさ。お前は』


あの男はわかってない。


僕は平凡だ。

大層な野心も、何かを変える勇気だってない。


いつも見ているだけ。


紫藤さんほど神かかっていなければ、多夜さんほど世間に無関心でもない。

だからこそ僕は、眼の役割を担うことができる。


「………」


右手中指に居座る目玉のタトゥを眺めた。

ソイツと見つめ合えば、頭の中の煩い囁きが、ス、と頭の隅から消えた気がした。