余所者-よそもの-【 3 】




「お前、あの人の部屋には入れるのか?」

「……いえ、無理です。鍵は紫藤さんしか持ってません」


「だったら隙を見て合鍵をつくれ」

「……はあ?」


「それしか方法がない」


……何を、勝手なことを。



「お前が紫藤を裏切らないのはわかった」

「だから、」

「だったらせめて、あの人の心を守ってくれ」



そう言うなり。

地下の売人は用は済んだとばかりに踵を返した。



「待て」

「………」


「僕は引き受けるなんて言ってない」


すでに背を向け、歩き出していた地下の売人が、振り向きもせずに言い残す。



「やるさ。お前は」



遠ざかっていく、その背中。



「……勝手すぎる」


呆れ果てながら。

僕は手の中に残された紙袋を、じっと見つめ直した。