余所者-よそもの-【 3 】



「で、話とは?」

「わかってるから従ったんだろ」


フルフェイスのメットを取り、白い髪を広げながらこちらに向き合う地下の売人。

その左頬は赤紫色になって腫れていた。


「……昨日、露天街とモメたようで」


話を逸らせば、地下の売人は白けた顔つきをする。


「そんな話はどうでもいい」

「僕はソッチの話の方が興味あります」

「何もどうもなっちゃいない。馬鹿が区域で多少暴れただけだ」

「今のZ地区にとっては、ひとたまりもなかったのでは?」


地下の売人は無邪気に笑った。


「全然?」


まぁ、シトウの僕に話すことはないか。


だったら、少しは話になることを聞いてみようか。


「なぜ、カナコさんを求めるんです?」


ずっと気になっていた。

なぜ、この男はカナコさんを攫ったのか。


最初こそ、シトウへの怨恨かと思っていた。

だけど違った。


どうもこの男は、純粋にカナコさんのことが欲しいらしい。

まして、紫藤さんの元で壊されるカナコさんを、必死で救おうとしている。


……必死で。