余所者-よそもの-【 3 】



シャワーの音が止まるのと同時に、僕はリビドーを出た。


施錠して、周囲を張る仲間を一瞥しながら、愛車に跨る。


バイクを走らせ、帰路についていた。


信号待ちの中。

縦列する車を縫い、一台のバイクが、僕の隣に止まった。


ふいに視線を向ければ、フルフェイスのメットを被った男が二人乗っている。


「………」


そこで信号が青に変わった。

嫌な予感がして、グリップを思いっきりひねった。


――ブオン……!


走り出したと同時。

何かが背中に強く当たり、車体が大きく揺れる。

ハンドルを取られかけ、慌てて重心を立て直す。


その隙に、隣を走っていたバイクだけが、そのまま僕を追い越して走り去っていった。


――後部シートに、誰も乗っていない。

気づけば僕のバイクの後部シートに、誰かが跨っている。


「……誰だ」


声を低く尋ねる。

返ってきた声には、聞き覚えがあった。


「僕だ」



……地下の売人だった。