余所者-よそもの-【 3 】



今日で、二日。


地下の売人がここ――Re:bidoへ侵入してからというもの。

紫藤さんはここへの警戒を強めた。


どれだけ街で重要なことが起きても、ここから幹部の誰かが離れることはなくなった。

自ずと、僕がここにいる時間も長くなる。


最奥の扉。

壊された鍵は新しいものが取り付け直され、固く閉ざしていた。


「カナコさん」

「………」

「カナコさん」



「……なに、野間くん」



扉越しに聞こえてきた、返事。

僕は、それだけで安心した。


「今日は、静かっすね。眠ってたんですか?」

「うん。まだ眠い」


僕は一昨日、久しぶりに彼女の姿を見た。

その光景が、頭から離れない。


扉の中で何か起きているのか、知っていたはずなのに。


目で見た記憶というのは、心の中の余計なものを引っ張り上げてくる。


「今日、外は……晴れっす」

「そう」

「晴れっていっても、まだまだ寒いですけどね」

「今は……まだ冬?」

「はい。その部屋、寒くないですか?」

「平気」

「そっすか」


「野間くん」

「なんすか?」

「私、寝るね」


「………」


いつか。

このまま、彼女が目覚めない日が来てしまうんじゃないかと。

そう思ってしまう。