余所者-よそもの-【 3 】





「僕とお前。どちらが死んでも、詰む」



千景のその言葉に、ユキは千景をまっすぐと見返した。

二人の視線が、静かに交わる。



「お前は――鍵だ。あの人をあの地獄から引きずりだすための」



AnBarを守りたいカナコは。

『帰る場所』をユキが守りきれない限り、あそこから動かない。



「僕は――扉。あの人が帰るための道を切り拓く」



居場所はわかっている。

帰る場所もわかってる。


Z地区の人員も、この力も、命すら。

全部惜しみなく使う。


そして、千景は何より――


「紫藤のところを出たあとは、僕があの人の中のドラッグを抜く。あの人がもう一度心から笑えるように」



……開いた扉の先。

カナコがもう一度笑って歩むことのできる道を、つくる。



「だから、黙って僕に従え」


千景は、Z地区を束ねる人間の、禍々しい覇気を放った。