余所者-よそもの-【 3 】



ユキが再び拳を絞った。

千景はギリ、と奥歯を噛みしめる。


このまま殴られてもいい。

コイツに言ってやらなきゃ、とても気が済まない。



「……あの人が帰れないのはっ」

「………」

「弱いお前たちを守るためだろうが……っ!!」



――パシッ……。


乾いた音が、響き渡った。


隣に立った潤が、ユキの拳を止めていた。



「待て、ユキ」

「放せ」

「どうも話がおかしい」

「頭のおかしなヤツの話を聞く気はない」

「それでも、コイツはお前と闘う気がない」

「………」

「……お前だって気付いてるんだろ」



ユキは何度も殴ったし、殴ろうとした。

千景は感情の爆発した一発を除けば、ずっと防戦一方だった。



「俺はコイツの話を聞きたい」

「……いや、放せ。関係ない。コイツはかぁこに乱暴した」

「ユキ」



諭すような潤の声。

それでもユキは納得がいかず、その身体は千景にぶつかりたがっていた。