余所者-よそもの-【 3 】



――潤は、走っていた。


ユキは千景に近づくなり、不意打ちの一撃を食らわせた。

反動でよろめいた首根っこを掴み、そのまま廃ビルの陰へと引きずり込む。


二人の姿が、路地から消える。


着かず離れずの距離を保っていた潤は、ユキの突然の行動に慌てた。


消えた方向へと即座に滑り込むと、そこは廃ビル。

エレベーター前の、踊り場。


ユキと千景は、しばらくそこで拳を打ち合っていた。

どちらも引けをとらない。


しいて言うなら、潤の目にはユキが優勢に見える。

千景は、執拗なユキの拳を避け続ける一方で、反撃に出ないからだ。


ユキの足払いを避け、千景が高く跳ぶ。

その着地を待たず、ユキは空中の身体を――ドン、と突き飛ばした。


方向は、地下へと続く、階段。


千景は無防備な体勢のまま突き落とされたが、空中で身体をよじり、階段下で受け身を取った。

追いかけるように、ユキも階段を飛び降りる。