余所者-よそもの-【 3 】




――千景は、その様を一瞥するなり、ゆっくりと歩き出した。


デックに向かって、そして……おもちゃ箱へと足を進めながら、


「………」


千景の中で、思考だけが異様な速度で回り始めていた。


ここに居るのは……露天街の武装派。

数分前、連絡をとった八賀は『抗争なんぞ知らん』と言い切った。

ここまで派手にやっておいて、わざわざ嘘はつかないだろう。


だとすれば――これは露天街、組織の行動ではないということ。

露天街の住人、個人個人が動いている。


でも。

個人というにはあまりにも人数規模が大きい。


寄せ集めの個人を束ねているヤツがいる。

そうなると、首謀者が露天街であるという情報は誤りだ。


そして、重要なのは。

この騒動は明確に狙いがあって起こされているということ。


Z地区は前日。

カナコを助けるためにシトウとやり合い、戦力の相当数を失っていた。


こちらが手薄である、今日という日。

ただでさえ弱まっているこちらの戦力を、更に分散させるかのような、T字路での戦闘の仕掛け。