余所者-よそもの-【 3 】


南側。

リンコの戦線が大きく動いた。


デックをおもちゃ箱から遠ざけるように、露天街の面々と共にリンコ自身が前進する。


一方で。

西側のトウジが深く後退を始める。


トウジは、事前にリンコから聞かされていた。


『どうしても、自分の手でやらなきゃいけない相手がいる』

『ふん。それで?』

『ソイツが現れたとき。アタシの持ち場が手薄になる。だから、』

『……わかったよ』


トウジは託されたときの会話を思い返し、「ふっ」と笑みを零す。


無線イヤホン越しに、息を荒らげたリンコの声が滑り込む。


「今も昔も……背中を預けられるのは、トウジ。アンタしかいない」


分岐点まで足を引き、二つの路地を一人で背負うように構えたトウジ。

固く握った拳と手のひらをパンッ!と合わせた。



「行ってこい。あとは全部、俺に任せろ」