誰かが叫ぶ。
「露天街だ……!!」
火をつけた犯人はすぐに突き止められた。
この日、売買に参加していた露天街の数人。
加えて、火の手が上がるのを待っていたかのように、外から露天街の武装派が何人も店内になだれ込み、暴れ出した。
誰かが、信じられないように呟く。
「……抗争を仕掛けたっていうのか?露天街が?……俺らZ地区に?」
理由がわからない。
だってZ地区と露天街は、シトウの勢力の中でもズブズブの関係だ。
裏切る理由も、メリットもない。
あるとすれば……シトウが差し向けた?
疑念をいくら膨らませたところで、火災は収まらない。
荒れたこの場も、収拾つかない。
火を背に、露天街と闘わなければならない状況。
この場にいる人間だけじゃ……まるで手に負えなかった。
「人を集めろ!!――デックに連絡をいれろ!!」


