余所者-よそもの-【 3 】



――ガチャ。


開かれた扉のすぐ先。

まるで十年前からそこで待っていたかのように、一人の男が立っていた。


「………」



「――もう10年……音信不通。やっと連絡寄こしたと思えば、いきなり『喧嘩を手伝え』なんてな」



オールバックの、黒々とした髪。

広く、目立つ額。

ガラの悪い、金縁フレームの眼鏡。


喧嘩のたびに割るから、何度コンタクトにしろって言ったかわからない。

それでも、まだ同じ眼鏡をかけている。


何も言えないリンコ。

男は、今にも泣き出しそうに顔を歪めて、笑う。



「――相変わらず……めちゃくちゃだ、お前は」



リンコの指先が、小さく震えた。



「久しぶり。トウジ――……」