言い終えるなり、ユキは出入口へと歩きだす。
サンコンが一番に返事をして、その背中を追いかけた。
バンはサンコンに引っ張られるように、そのさらに後ろに続く。
潤も足並みを揃えて表に出ようとしたときだった。
「待って、潤」
リンコが後ろから肩を掴む。
「……どうした?リンちゃん」
潤は慣れない。
煌びやかでない、リンコの姿。
動きやすいシャツに、ゆったりとしたカーゴパンツ。
長い髪は一つに束ねられ、大きな胸はない。
リンコの纏う空気には、これから始まる闘いへの覚悟が、静かに滲んでいた。
「潤の持ち場、アタシがもらう」
「は?そしたら俺は?」
「アンタはユキちゃんから離れないで」
「………」
「あの目。何をするか……わからない」
潤も、同じことを感じていた。
ユキは何かを隠している。
ストッパーが必要だ。
しかし、それを許さないようにユキ自身がこの作戦を立てた。
指摘しようのない、ぬかりのない配置だった。


