頭の中が真っ白になる。
震えがヘソから、指先までじわじわと広がった。
知っている。
この状態は、何が起きているか。
僕が……誰より知っている。
――ドラッグが、彼女を蝕んでいる。
瞬間。
ブアア、と、とてつもない怒りが込み上げた。
うなじの奥からマグマのような熱が吹き出して、僕の全身を呑み込んでいく。
紫藤。
紫藤、紫藤、紫藤紫藤紫藤紫藤………!!
右手をグラグラと握りしめた。
肩から腕に痛みが走る。
あの敗北の記憶。
ママを守り切れなかった腕の痛みが、カッと熱くなった頭を冷静にさせた。
……助け出すんだ。
今、すぐに。
ドラッグなんかに、この人の心を喰わせてたまるか。
紫藤なんかに、この人の笑顔を奪わせてたまるか。


