――薬を作ってもらっている間。
僕は街を張り、ママの居場所を特定した。
初めから目星こそ、ついていた。
シトウの幹部が集まるアジトだ。
場所はシトウの中でも複雑に入り組んだ路地の、最奥。
道幅は狭く、並んで歩けるのはせいぜい三人程度。
車で乗り込むこともできず、武器を満足に振り回すこともできない。
直線は一つもなく、視界は常に十数メートル先で遮られる。
入り込もうとする者を迷わせ、力を削ぎ、追い詰めるための構造。
まさに、要塞。
もともとシトウの手下が張り付いている場所だけど、ママが紫藤に連れ去られてからというもの、異常に人が密集しだした。
ここに大切なものがあると自ら言っているようなものだ。
隠すつもりがない。
よっぽど奪われない自信があるらしい。
――上等だ。紫藤。
僕を、ナメるな。


