「………」
僕は一度深く深呼吸をした。
既製品じゃない以上、コイツに薬を作ってもらうには時間がかかる。
僕のこの身体と、多夜に手ひどくやられたデックの身体だって治してもらわないといけない。
「彼女は……頭のおかしなヤツに捕まった。何をされてるかわからない。死んじゃうかもしれない」
頼む。
そんな気持ちを声に込める。
「笑って生きていてほしい。もう一度彼女の声を聞きたい。そのために、どうしてもお前の薬が要る」
――『また、遊ぼ』
ママの最後の声が、頭に響く。
僕は左手の拳をキリキリと丸めた。
するとその拳の前に、上向いた手のひらが――ス、と、こちらに差し出された。
「かかった外科で出された薬だせ。持ってきてんだろ」


