余所者-よそもの-【 3 】




「そりゃ、誰んだ?」

「僕んじゃないよ」



中身を手にとって調べる僕に、鬼切はコトリ、とマグカップをデスクに置いた。



「だろうなぁ?てめぇはついこの間、ここで散々ヤク抜きしたもんな?」



ニヒ、と笑う、白衣の悪魔。

僕はげっそりとする。


「思い出させるなよ」


さっき夢を見てしまったせいだ。

地獄の時間を鮮明に思い出してしまう。


ついうっかりドラッグに蝕まれてしまった身体。

このドS野郎の元で毒を抜いてもらったおかげで、僕は今日も生きることが出来ている。


あれはかなり……しんどかった。

ぶっちゃけ死んだほうがマシだと、何度も思った。


表に出られるようになるまで、過去一番時間がかかった。


僕が長らく姿を消している間に、街は荒れに荒れ放題。

人もドラッグも全てが腐りきっていた。


「……この薬はデック用。僕が消えている間に、どっか海外から流れた新種のドラッグにヤられちゃってたから」

「デックって……ああ、お前の友達だっけか」

「まぁ、そんな感じ」


コイツは余所者。

ずっと街から切り離されたようなこの場所で、ひっそりと薬を創っている。