今日もシドがいない。
彼がここを出てから、どれくらい経ったっけ。
日付の感覚も、時間の感覚もだんだんとなくなってきた。
毎日がとてもふわふわとしていて。
考える、ということをいつからかやめてしまったように思う。
彼が居ない時間は、退屈だ。
何より、お腹が空いた。
空腹を紛らわせるように、水を飲んだ。
この部屋にある口にできるものは、やっぱりペットボトルの水だけ。
がぶがぶと、喉に流し込めば、あっという間に空になった。
お腹は少し満たされて。
なのに、飲んでも飲んでも、喉だけが異様に乾いた。
「………」
お腹が重くなると瞼も重くなってくる。
瞼は重いのに、頭の奥だけがずっと起きていた。
退屈だ。
退屈だ。
ドアに手をかけた。
扉は、開かない。
「あ、そうだ」
思わず独り言を漏らす。
何度も、確かめたのに、いつもすっかり忘れてしまう。
部屋の扉には、いつの間にか鍵がついていた。
外側からしか開かない鍵だった。
ずっとここにいたのに。
鍵がつけられたことに、ちっとも気が付かなかった。
……変なの。


