余所者-よそもの-【 3 】



ここに閉じこもってから、どれくらい経ったんだろう。


シドはよく外出をした。

何もない部屋に、いくつかのペットボトルの水だけを置いて、彼は出ていく。


シドが出かければホッとした。

無理をしない自分でいられる時間だったから。



だけど彼は外から帰ってくると、何度も私の視線と声を求めた。

まるで、離れた時間を埋めるように。


「カナコ」

「なに?」

「今日は何してたんだよ」

「何も」


だって、なにもすることがない。


「なに考えてた」


考えていたこと……。


急に聞かれても。

思い出せない。


首を傾げれば、シドはどうしてか満足げな顔をする。



「もっと俺を見ろ」

「見てるよ」


だって、ここにはあなたしかいない。


「俺を呼べ」

「シド」


「もっと……俺を欲しがれ。カナコ」



悲しいシドと、二人きりの。

なんて淋しい世界。