余所者-よそもの-【 3 】




十二畳ほどの部屋。

あるのはベッドと小さな机だけ。


物もなければ、やることもない。


私たちには、何もない。




「眠れねぇのか」



その日、早々にベッドに横になった。


眠気なんてなかった。

時間もわからない部屋で、ただ天井をぼうっと眺めていた。



「眠れよ。カナコ」



シドの硬く太い腕が、私の首の下に差し込まれる。



「……眠れないよ」

「眠れなきゃ、苦しいだろ」



私が苦しいのは、シドのせいだ。

なのに、彼だって私と同じように苦しそうな顔をしているから、不思議。


鏡写しみたい。


シドはカエデを失ってからもうずっと。

こんな風に眠れない夜を過ごしていたのかもしれない。



「……シドも苦しいの?」

「どうだろうな」

「苦しそう」

「じゃあ、」


そう囁いて、軽い口づけを落とす。


「……お前をくれ」

「一緒にいるじゃない」

「足りねぇ」

「………」




「もっと、コッチに来い」