十二畳ほどの部屋。
あるのはベッドと小さな机だけ。
物もなければ、やることもない。
私たちには、何もない。
「眠れねぇのか」
その日、早々にベッドに横になった。
眠気なんてなかった。
時間もわからない部屋で、ただ天井をぼうっと眺めていた。
「眠れよ。カナコ」
シドの硬く太い腕が、私の首の下に差し込まれる。
「……眠れないよ」
「眠れなきゃ、苦しいだろ」
私が苦しいのは、シドのせいだ。
なのに、彼だって私と同じように苦しそうな顔をしているから、不思議。
鏡写しみたい。
シドはカエデを失ってからもうずっと。
こんな風に眠れない夜を過ごしていたのかもしれない。
「……シドも苦しいの?」
「どうだろうな」
「苦しそう」
「じゃあ、」
そう囁いて、軽い口づけを落とす。
「……お前をくれ」
「一緒にいるじゃない」
「足りねぇ」
「………」
「もっと、コッチに来い」


