余所者-よそもの-【 3 】



――翌日。

ベッドから起き上がり、靴を履いた。


すると後ろからシドに手を掴まれる。



「どこ行く」

「少しだけ、外に」


ここには窓がない。

外の空気を吸いたいと思った。


「駄目だ」

「なんで?」

「………」


シドは私を睨みつける。

その顔を見て、思い出す。


――『俺のそばにいろ』

――『俺から離れるな』


「……シドから離れるのがダメなら、外に連れてってよ」

「いいや」


その低く重たい声に、ブルリと身体が震えた。


「なんか欲しいモンがあるのか?なんだ。何が欲しい」


怠そうに身体を起こすシド。


「……そうじゃ、なくて」

「お前はここに居ろ」


「外に出してくれないの?」


答えを導き出すと、シドは私の手を引いて、ベッドの上で胡坐をかく足の上に私を乗せた。


「言ったろ。守ってやるって」

「それが、どうして」

「お前を奪われる可能性を消す」

「……は?」

「ここが一番安全だ」

「意味が……」

「もう誰にも触れさせねぇ」


そう言って、足の上に私を乗せた彼の腕は、ひどく震えている気がした。


「瑞生にも、地下の売人にも」


どうして彼は、こんなにも臆病になってしまったんだろう。




――シドは、私をリビドーに閉じ込めた。