余所者-よそもの-【 3 】




リビドーのベッドの上。

シドは私を腕に抱いて、愛おしむように髪を撫でていた。


「………」

「………」


彼から香ってくる煙草の匂いを嗅ぎながら。

どうしたって上書きできないAnBarの香りを思い出して、息苦しい。



「なんか、欲しいモンあるか?」

「………」

「お前、なんも持ってきてねぇんだろ」

「………」

「なんでも買ってやる」

「………」


「カナコ」


シドの手が私の顎を掴み、視線を絡めとる。



「なんて顔してやがる」



……わからない。

今の自分が、どんな顔をしているのかなんて。


シドの苛立ったような顔を見返した。

けれど、彼が私に何を求めているのかを考えることも億劫だった。



ただ今日は、心が疲れた。