余所者-よそもの-【 3 】



やがてユキが家を出ると、リンコはベッド脇に腰かけた。


「見た?あれ」

「何がですか?」


リンコは少しだけ意地の悪い顔で笑う。


「アイツ、今ごろ走ってるわよ。一秒でも早くアンタのところに戻りたいの」

「………」

「ああいう男が一番わかりやすいのよ」


私は何も返せず、そっと視線を逸らした。


「ユキさんに申し訳ないです。もちろん、リンコさんも」

「気にしなさんな」

「ユキさん、全然寝てないんです」


きっとユキはずっと私の看病をしてくれていた。

どのタイミングで目が覚めても、ユキの目はずっと開いていたから。


「いいじゃない。世話焼きたいのよ。焼かせてあげなさい」

「でも」

「自分のことより大事なんでしょ」


どういうこと?

と、リンコに目をやれば、ニッコリと優しい笑顔が返ってきた。


「アンタのことが大事なのよ。見てるこっちが笑っちゃうくらい、アンタのこと見て幸せそうにしてるじゃない」

「ユキさんが?」


私なんかを見て、幸せ……?

……そんなことって、あるのかな。